封神演義

 

明代中葉(16世紀半ば)に成立した神怪小説。

舞台は紀元前11世紀初頭の中国。殷(商)王朝最後の皇帝・紂王の時代。
殷王朝の滅亡に際して、人間界の戦に、仙人や道士が絡んで壮絶なバトルが繰り広げられる…
このとき、のちの周の武王(姫発)が、岐山で挙兵して殷を滅ぼしたという故事にならって、織田信長が、自らの居城を「岐阜」と改め、「天下布武」を唱えた、という話は、あまりにも有名である。



少年誌のマンガになって、一躍有名になった話ではあるが、これがなかなか面白い。
このとき仙人たちは「宝貝(パオペエ)」という秘密兵器を使って戦いに臨む。今でいう、人造人間も登場する。
奇想天外なストーリーは、下手なSFを読むより面白い。



「封神」とは「神に封ずること」
人間界の戦いに加担しているかに見えた仙人、妖怪たちは、実は「封神計画」のもとに戦いを繰り広げていたのだ。
そもそも「封神計画」とは、半端者の仙人や妖怪たち、あるいは、人間としては力を持ちすぎている連中、そういう者たちを「人界」と「仙界」の間に「神界」という新たな世界を設けて、そこに移してしまおうという計画なのである。彼らを「神」という名でくくってしまうことで、仙界の下に置き、更にその下の人界の運営にあたらせようとした。



この任務を帯びて、周の天下取りを支援するのが太公望。
マンガでは、少々マヌケな道士だが、名政治家、名兵法家として名を残す実在した人物。もちろん、本物は、道士などではない。(多分)

 



で、「楊戩(ホントは「ようせん」と読むらしい。)」・・・
マンガでは、截教(せっきょう)の教主・通天教主の息子、ということになっているが、正真正銘闡教(せんきょう)側の道士で、「清源妙道真君」という仙人名を持つ。使用宝貝・三尖刀と哮天犬。仙界で只一人、変化の術を得意とする。原作では、スーパーヒーローとして登場。
マンガでは、自分の顔に傷がつくことを極度に恐れるちょっぴり(かなり?)ナルシスト。自他ともに認める「天才道士」。不肖よーぜん、HNはこのかたのお名前を拝借いたしました。

楊戩です



ついでに楊戩の仲間たち(?)を紹介。

2000年夏制作

右から、黄天化、黄飛虎、黄天祥、望ちゃん、聞仲、宝貝人間・なたく、下の鳥(?)は神鷹


黄飛虎・・・もと殷の武成王。紂王により、妻が自殺に追い込まれたことで殷に造反。一族を引き連れて周にくだる。マンガの中で、かつての友聞仲と語り合って封神される場面は圧巻。

黄天化・・・飛虎の次男。清虚道徳真君のもとで修業を積んだ道士。使用宝貝・莫邪宝剣、鑚心釘、火竜ひょう

黄天祥・・・飛虎の四男。天然道士。ちっこいけど強い。

聞仲・・・・・殷の太師(軍事司令官であり、政治の最高顧問)。飛虎とは、親友であった。が、飛虎の造反により、仇同士に。霊獣・黒麒麟に乗り、大空を駆け回る。よーぜんのお気に入りキャラ。

なたく・・・・魂魄を持たない宝貝人間。(今でいう人造人間)太乙真人の弟子。マンガでは、宝貝オタクの師匠太乙真人に改造され、どんどんバージョン・アップする。上の画像は、乾坤圏、風火輪、混天綾、火尖槍を装備した初期バージョン。

 


「封神演義」について知りたい方は、読んでね。・・・

『封神演義』(上・中・下)安能務(講談社文庫)
『封神演義』全23巻 藤崎竜(集英社・ジャンプコミックス)

 

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