GLAY EXPO 2001 GLOBAL COMMUNICATION

LIVE REPORT by Yozen

 

7月28日(土) 東京スタジアム in 東京

真夏の東京、スタジアムでのライブ……ということで、地獄のような暑さを覚悟していたが、予想は大きく裏切られ、折からの曇天。むしろ雨に降られることが心配になってくるような空模様だった。雨さえ降らなければ、かなり涼しいし、申し分ないライブ日和となるのだが…と99%の期待と1%の心配を胸に、京王線に乗り換えるべく新宿駅に降り立った。2年数カ月ぶりの東京。新宿の雑踏を懐かしみつつ、京王線の乗換口へ。そこには一目で「それ」とわかる人々の群れがあった。
今日のライブを知らない人々は、「どうしてこんなに混んでいるの?」と、いぶかっていたが、「フフフ、GLAYのライブがあるのよん」と心の中でつぶやきながら、人の波に身を任せ、到着した電車に乗って一路、スタジアムのある飛田給へ向かう。

PM.2:30 開演時簡にはまだ間があったが、スタジアムに到着。
とりあえず、席を探して座る。さすがスタジアム。去年のライブのようなラッキーな席ではなかったが、それでも下手なアリーナ席よりもよく見えそうだ。

前方のステージには、両サイドの、大きな「天使の翼」のオブジェが目を引く。
"GLOBAL COMMUNICATION"(以下"G.C.")の歌詞にある、

心に翼を描くイメージ
身体に無重力を感じている

の言葉を体現させているのだろう。

PM.4:30 いよいよ開演時間---と、"G.C."のイントロが流れ、歓声と共に総立ち--しかかって、肩すかしを食らってしまった。
ステージの大型スクリーンに写し出されたのは、GLAYのメンバーではなく、なんと石原慎太郎東京都知事。東京スタジアムでの初ライブということで、こけら落とし的な意味合いを持つ今回のライブのために、石原都知事のメッセージが披露された。そのあと、ジャッキー・チェン、坂本龍一…と、著名人からのお祝いメッセージが次々とスクリーンに映し出された。……最初は興味本意で見ていたが、延々続きそうなメッセージに、いい加減うんざりしかかったころ、ステージが一瞬暗くなり、再びライトが灯されたとき、いよいよもって、真打ち登場!!

ライブの始まりは、今回のツアーのタイトルにもなっている"GLOBAL COMMUNICATION"
「ぐろーばる・こみゅにけーしょん」なんて、ご大層なタイトルだけど、地球規模の対話の始まりは「互いの眼を見ること」から始まるという、身近な人との関係、絆を大事にしていこうというメッセージなのだ。それがやがて、地球規模のコミュニケーションに繋がっていくと。自分たちの身近な所から、身近な人々を大切にしていこうというのは、彼らがこれまでもしてきたことで、彼らの生き方、姿勢がよく現れたナンバーである。

"Super Ball 425""MERMAID"とノリノリのナンバーが続く。

その日のメンバーのコスチュームは…
赤いシャツジャケットにチェックのパンツのTERU。TAKUROは最近定番になりつつある帽子をかぶり、グリーンのずる長いジャケットが、長身によく似合う。HISASHIはおなじみのチャイナドレス風の衣装を身にまとい、寡黙にギターをうならせている。動くたびにすそからのぞくおみあしが妙に艶かしくて…。
JIROはこの日も元気一杯だった。スタジアムという場所を大いに意識してか、この日の彼のコスチュームはブルーのラインの入ったサッカーのユニフォーム。黄色いソックスが鮮やかで、何を着ても似合うんだなあ、彼。

バックのスクリーンにJIROが映し出されると、歓声が上がり、それに応えてJIROがおどけた表情を作ってみせる。するとそれに対してまた、歓声が湧いて…。

やっぱり夏は"SURVIVAR"。EXPOといえば、この曲がなくっちゃ、というんで、やっぱり演ってくれました。
去年のライブでも、この曲、演ってくれたど、屋内で聞くのと外で聞くのとではずいぶん違う感じがする。

♪どこまでも広がる空に光が差して

と歌詞にある通り、空と一体になれる屋外の方がこの曲は似合っている。

曲の順番は忘れたが、"彼女のModern・・・""とまどい""STAY TUNED""口唇""FATSOUNDS""summer FM"・・・と、アップテンポのナンバーから、しみじみと言葉をかみしめたい楽曲まで、新旧取り混ぜた歌を披露してくれた。
中でも嬉しかったのは、"BE WITH YOU"を演ってくれたこと。去年は歌ってくれなかったので、嬉しさひとしおだった。この曲ではTAKUROが、ピアノを担当。彼、少しは上達したみたい。(失礼!)それにしても、TAKUROの指の細いこと!!TERUの切なげな歌声を聞きながら、スクリーンに映し出されるTAKUROの「指」に見ほれてしまった。

途中、JIROのアンプの音が出なくなるアクシデント発生。
「みんなの元気に焼き餅焼いて、JIROのアンプ、すねてるみたい。」とTERU。
しばらくして復活して、仕切り直しという場面もあったが、こんなトラブルも、ライブならではで、ご愛嬌である。

"ACID HEAD"を最後に、いったんメンバーはステージを去る。

いつしかあたりは夕闇に包まれていた。
会場で、どこからともなくウェーブがおこる。沸き立つ歓声を、彼らはステージのそでで聴いていたであろう。

数分後---再びライトに照らされたステージには、タキシードでめかしこんだTAKURO、HISASHI、JIROの姿があった。そのあとから、純白のゴージャス(?)な衣装に身を包んだ『テルビス』登場!!
今回のライブに先立って、「公約」が発表され、「公約大臣」のHISASHIの公約、「東京公演で、テルビスが、出演!」の公約通り、メンバーはテルビスを呼んで(?)くれたのだ。
テルビスはいつもN.Yで、100万人ライブをしているそうで、今回のライブは5万人と観客数は少ないが、わざわざN.Y.から飛行機で「30分で」来てくれたのだという。
テルビスの持ち唄"GOOD MORNING N.Y.C"を披露。そのあと、どこかで聞いたことのあるような(?)歌を披露してくれた。
ちなみにテルビスとTERUは、別人格らしい。

テルビスが去り、明かりの消えたステージに再び明かりを灯そうと、会場からはどこからともなく"生きてく強さ"の大合唱が沸き起こる。

生きてく強さを重ね合わせ愛に生きる WOW
努力が実ればそうたやすくもう迷わない

この歌で、再び彼らをステージに呼び戻したい!会場にいるすべての人の思いがうねりとなって夜空に響く。

---歓声に応えて三たびメンバーが姿を表した。今度はTシャツにパンツ(TAKUROはランニングにジャージだった)、というラフな格好で。

"誘惑"では、HISASHIのギターが最高に唸っていた。
それから、スポットライトがJIROを照らしだして…いよいよ「アノ」歌だ。やっぱりGLAYのライブで「アレ」をやらないと物足りない。というか、「アレ」を演らないと、ファンは納得しないのだ。そう、"SHUTTER SPEEDSのテーマ"。イントロをJIROが歌うというだけなのだが、これがまた最高に盛り上がる。この曲は定番になっているのだ。
そのあと、1、2曲、激しいナンバーが続いた後、"生きてく強さ"。先刻のように会場が大合唱をする。今度はメンバーと共に。
ライブは最高潮を迎えた。
夜闇は深くなり、雲間からかすかに月影が見え隠れしている。
そしてとうとう最後の歌になってしまった。
"I'm in Love"。
"生きてく強さ"の時と負けないくらいの大合唱が会場を揺るがせる。

♪I'm Just in Love, I'm Just in Love, I'm Just in Love oh Singin' my life

歌声が夜空に響きわたる。いつまでもこうやって、彼らの歌に酔っていたい…。あの場にいた誰もがそう願わずにはいられなかっただろう。
スクリーンに映し出されたTERUの眼に光るものが見えたのは、気のせいだろうか。

彼らは決してきれいごとを歌い綴ってはいない。その時々の実感を歌っているし、それが手に取るようにわかることがあって、心に響いてくるのだ。
ライブでは、全身で音を受け止めることによって、そのことが身体の芯にまで染み込んでくる。生きているという実感。大げさかもしれないけれど。そして、彼らと同じ時間と場所を共有しているということが、この上なく幸福な気持ちにさせてくれる。まさに至福の時--

真夏の夜の饗宴はこうして静かに幕を閉じた---



<<GLAY TOP>>

 

 

 

 

inserted by FC2 system