パークに隣接する、ユニバーサルシティのハードロックカフェでは、店内放送で昨年のEXPOのDVDを流して、「ファンの方もファンではない方も楽しんで下さい!」とファンを盛り上げている。私が入った時に流れていたのはEXPO前夜祭の「HOWEVER」とEXPO当日の「I'm
in Love」。前夜祭の夏の夕暮れから染み出したような、絶妙の間で始まった「HOWEVER」と、私がGLAYで一番好きな「I'm
in Love」。1年の時を経て、EXPOを追体験した。
ユニバーサルグローブの前では、ファン同士が「ハイコミュニケーション」を合言葉に記念写真を撮り合っている。これも、1年前と同じ光景だ。思い切って、その中の2人、JIROコスとHISASHIコスに話し掛けてみる。滋賀と和歌山に住む二人。1年前はなんと、ステージ前A2ブロックだったらしい。お互いのファン歴や、ライブ歴、そして去年の今日について語り合った。全く知らない者同士なのに、一つの思い出を共有している、1年前の今日、同じ場所に居ただけだというのに、長年の友達のような気安さが生まれる。話す間にも、他のファンや観光客が2人に名刺交換や、記念写真を求めてくる。「今日一日で、えらい外人にモテた」と2人は苦笑する。外人の観光客の前では他のコスプレと一緒に「GLAY」の人文字を作って、「グローバルコミュニケーション!」とガッツポーズをする。幸せな眺めだと思った。去年の今日も同じような景色を見た。「HOWEVER」のサビでTERUが詰まった時だ。TERUが詰まった瞬間、客席から感動とも、悲鳴ともつかない声が上がり、TERUの代わりに、客席がサビを合唱する。あの時、回りを見回してみると、多くのファンが涙を流していた。そして、そんな涙と、GLAYが歩んできた10年を励ますような、優しいギターで始まった、「I'm
in Love」の10万人の涙と笑顔。その光景、その涙と笑顔はこの世で一番純粋な、美しい物だと思った。客席もメンバーもスタッフも、皆で一つの物を分けている。凄く美しい関係だと思った。それこそ、GLAYが歌ってきたものであり、これからも歌っていくものなのだろう。その安らぎに触れたくて、皆GLAYの曲を聞き、ライブに行くのかもしれない。